学習塾フランチャイズのメリット・デメリット
フランチャイズ(FC)での学習塾開業を検討されている方は、必ずFC加盟のメリット・デメリットを整理しましょう。
「こんなはずじゃなかった・・・」「営業マンにだまされた!」という思いにならないためにも、開業前の「情報」が欠かせません!
そもそも「フランチャイズ(FC)」とは?
FCに加盟すると、
- 統一デザインの「看板」
- 実績のある「サービス」「商品」を使う権利
がFC本部から与えられます。
その対価として、「ロイヤリティ(お金)」をFC本部に支払うことになります。
多くのフランチャイズ契約では、「売上に対して何%」という形式でロイヤリティを設定していますが、「月額固定」「ロイヤリティ不要(0円)だが、生徒ごとに教材費がかかる」など、さまざまなロイヤリティ形態があります。
FC加盟メリット・デメリット
メリット
- ブランド力を活用できる
※「全国●●校」などのスケール規模・信頼性 - 生徒募集の支援が受けられる
※広報戦略にもとづく、高品質の販促物&著名人CM起用など - 学習指導のノウハウが手に入る
※いかにして効率的に成績を上げるか(教育理念含む) - 月謝単価を上げるノウハウが手に入る
※いつ、どんな方法で単価を戦略的に上げるか - 教育業界未経験でも参入できる
※研修サポート体制 - 万全な開業準備 (物件から教材まですべてパッケージ化)
- 金融機関から融資を受けられやすい
- 同じブランドで経営する仲間と出会える
※孤独になりがちな経営が、「同志」の絆で活力になる
デメリット
- FC本部にロイヤリティを支払う必要がある
※各社異なるので調査が必要 - マニュアル通りに運営しなくてはならない
※生徒への接し方、指導マニュアル、教材活用法など - 広告宣伝が定期的に義務化されている
※ブランドの認知拡大のため、義務化されている場合が多い - 契約終了後も、同業種での出店が禁止されている場合がある
※「フランチャイジーは、本契約終了後2年間は、自営も含め、同一商業地域で、同一の営業をしてはならないものとする。」というような条項です。競業避止義務条項といわれています - 別店舗でブランド損失の事象が生じた場合の関連リスク
※スケールメリットの逆効果と言えます
事業継続率で判断するなら
フランチャイズ加盟の場合、成功事例に裏付けされたビジネスが行えるため、成功の確率は格段に高くなります。
開業後5年経過時の存続率は、個人の独立では約25%に対し、フランチャイズの場合は約70%です。
※出展:『それでもフランチャイズを選びなさい』(丸山 忠 著)
データ上の話ですが、フランチャイズに加盟すると、およそ3倍の成功確率を見込めることになります。
「本部の姿勢」が判断基準になる
FC本部は、新しいオーナーを随時迎え入れて多額の加盟金を得ています。
その多額のお金が何に使われているか(方向性)をできる限り調査しましょう。
- 直営校での運営研究
- 教材開発
- 生徒募集のための販促グッズ開発
- 研修サポートの内容・体制の日々改善
- ブランド認知拡大のための著名人起用
本部の活動実績が「本部の姿勢」の表れです。
「ロイヤリティが低いかわりに、何もしない(自由な経営)」という方針のFC本部は、概ね「加盟金ビジネス」に特化しています。
経営が行き詰まっているFC本部では、スタッフの人件費の支払いでほとんど消えているかもしれません。
いずれにしても、FCに加盟したら、ある程度は経営の自由度が制限されるものです。
良さそうなFCブランドが見つかったら、「FC加盟店の発展のために商品・サービスの開発を行っているかどうか」、本部の姿勢を必ず確認してください。
まとめ
塾経営を成功させるには、何かの指標で「地域一番」のブランドがつくれるかどうかにかかっています。
これは、FC加盟か否かにかかわらず共通の条件です。
しかし、業界経験者でもない限り「地域一番」といっても「どの分野で実現するのか」、着眼点すら見つからないかもしれません。
FCに加盟すると、「商品」「地域」「客層」「営業」「顧客」「財務」「時間」「人事」など、成功のために欠かせない情報が早期に手に入ります。
地域戦略、ブランドという面で、開業までの準備でかなり有利なのがFC加盟店です。
しかし、FC加盟店が有利だとしても、「こんなはずじゃなかった・・・」「営業マンにだまされた!」という思いにならないよう、FCの選定には注意してください。
FC本部を見極めるポイントは「未経験者でも成功できるよう、日々研究・工夫をしているか(本部の姿勢)」です。
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