学習塾経営の成功「7つのポイント」
私は2002年以来、年間40名ほど、新規の学習塾開業者を支援してきました。
経験から言える、塾経営成功者の共通点をご紹介します。
1.失敗を恐れない「行動力」
事業にはリスクがつきものです。
だからこそ、失敗しないために膨大な労力が必要になります。
成功する塾経営者に共通する第一の特徴は、多少のリスクを気にせず、すぐに実行できる「行動力」です。
ここで言う「行動力」は、がむしゃらに思いつきで動き回ることではありません。
- 競合他塾の塾生数・単価・学年をリサーチする
- 学校行事を確認して生徒の一斉下校時間を調べ、チラシ配布計画を練る
- 行動に対するリスク分析を行い、もっと費用対効果の高い方法がないかを考える
など、学習塾経営では、「実行に移すまでの過程も含めての行動力」が求められます。
学習塾は人気商売です。
地域一番に愛されるためには、分析や計画・戦略も必要になります。
例えば、「教室周辺の清掃」なんかはいかがでしょうか。
付加価値を考えてみます。
- 清掃して気持ちがいい
- 地域への貢献心が芽生える
- 教室周辺の人々に喜んでもらえる
- 教室近くを通りがかる人々が清掃する姿を見てくれる
- 教室近くを通りがかる人々に挨拶する機会が得られる
近江商人の心得で、「三方良し」という言葉があります。
「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三つの「良し」。
売り手(自塾)と買い手(保護者)がともに満足し、地域へ社会貢献もできるのがよい商売であるということです。
清掃する姿一つとっても、少なからず自塾の宣伝につながります。
他塾の一般スタッフがめんどくさがってやらない事にチャンスを見出すこと。
失敗を恐れず、すぐに何かを試せる人は成功しやすいと言えます。
2.人付き合いを大切にする
成功する塾経営者は、人付き合いが上手です。
地域住民との関係づくりはもちろん、取引業者との良好な付き合いも心がけます。
学習塾が人気商売である以上、「人脈づくりのプロ」でありたいものです。
まずはご家族や親族から慕われるように、相手が喜ぶ事から始めると良いでしょう。
一人の笑顔がその場の空気をなごませ、周囲の人々へ良い影響を与える・・・。
ウソのような話ですが、やがて塾経営も明るく照らすようになります。
3.褒める立場であり続けること
学習塾は授業を通じて、生徒のモチベーションを高めて成績を上げる仕事です。
結果が出れば保護者に感謝されます。
しかし、感謝される仕事であるために、いつしか「もっと評価されたい」という気持ちが強くなり過ぎる事があります。
例えば、「生徒より自分を優位に見せたい」「頑張って指導している姿をアピールしたい」といった思いが出てきたら要注意です。
なぜならば、失敗する塾経営者に多い傾向だからです。
自塾のサービスを客観視できないため、自塾のサービスを改善できない。
結果的に他塾の進化に負けてしまいます。
常に客観視を忘れず、生徒・保護者の良い点を見つけること、「褒める立場であり続けること」が大切です。
4.人の意見を受け入れる
成功する塾経営者は、人の意見を受け入れる力に長けています。
とはいっても、そのまま鵜呑みにするのではなく、自分なりに解釈して部分的に取り入れています。
「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、常にワクワクする情報を欲しているイメージです。
興味深いこと、好きなことに敏感で、取り入れて少しアレンジできる。
ちょっとした会話からでも進化のヒントを得られるため、他塾に勝ち続けられるのです。
5.本をたくさん読む
勉強の習慣づけ、成績アップ、入試合格。
学習塾は結果を出せば、地域住民に信頼されます。
結果を出し続けるには、経営者自身の「進化」が欠かせません。
成功している塾経営者に読書家が多いのは、「読書」から「進化のヒント」を得ているからです。
読書で発想の引き出しを増やす。
生徒や保護者の悩みにも対応でき、信頼できる学習塾へとレベルアップしていきます。
6.基本に戻れる
セオリーにとらわれない、思い切った改革。
塾経営を成功し続けるためには、時に奇抜な発想や大胆な行動が必要になります。
そんな時、必要になるのが「基本」です。
相手に働きかける改革だとしたら、その時の「基本」とは
- 礼節をわきまえる
- 挨拶を怠らない
- 清潔な身だしなみ
といったのマナーになるでしょう。
「大胆な改革」を成功させるためには、周囲に理解してもらう必要があります。
つまり、改革の時こそ試されるのが、「日頃の謙虚な姿勢」です。
成功している時こそ、「基本」を忘れず、いつでも「基本」に戻れるように意識しましょう。
7.自分のお金と経費を分けられる
特に個人塾の経営者では、身の回りの物も経費で落とせるため、自分のお金と経費が区分できない事が多いです。
どんぶり勘定でお金を使ってしまい、肝心な広告費の予算がとれない事態に陥ることもあります。
勇気を持って「経費と生活費を分けられるか」が大切です。
経費のうち、特に「広告宣伝費」は「投資」ととらえて毎月計上し、「経営規模を大きくする」意識を持ちましょう。